解体作業のサンプル
■解体屋さんがどんな作業をしているのかは、ほとんど知られていないのが現状でしょう。
そこで今回1台のサンプルを用意して入庫されるところから最後までを追跡取材して見ます。
ただ単に重機で車をボカンボカン潰しているイメージが強いようですが、 実はとても細かい作業の連続でリサイクルや環境保護につながるように努力しています。


■車両の入庫
さて今回のサンプルはこの車、ホンダ/セイバー君です。
沢山走ったのでエンジンや足回りはかなりお疲れのようです。
廃車になることが決まり、当社に持ち込まれてきました。
リサイクル料金の手続きや、車体番号等のチェックが終わってからナンバーを丁寧に外し、 最終ユーザーさんにお返しします。
また忘れ物がないかなどチェックしてもらい、車を引き取ります。

■引取時情報の入力
車が持ち込まれると、チェックと同時進行でリアルタイムに情報を入力、報告します。
リサイクルセンターに送られた情報には、この車を解体するに当たり必要な情報が含まれていて、 このあと最終処分までこの情報が引き継がれます。
車体番号やナンバーだけではなく、 フロンガスの種類や各装備に関する情報など、以外に細かいところまで処理に必要な情報が やり取りされます。

■車体の確認
引き取られた車は、引き取り時の情報と間違いが無いか確認しながら 最終的なチェックをします。
ここで部品としてリサイクルするものと、資源としてリサイクルするものが決定されます。

■部品取り外し
数分後にはこんな感じにリサイクル可能な部品が取り外されます。
今回は前回りの部品を再利用します。ライトやグリル、 フロントバンパー、左フェンダーを外しておきました。
取り外す際には、次に取り付ける時のことを考えて 小さな部品や付属品なども一緒に外しておきます。
外された部品はこの後、洗浄・研磨・キズチェックをして登録され、倉庫に保管されます。
その後、全国の様々な修理工場に発送されてゆくのです。

■移動中…
外装などの必要な部品が外し終わったので、前処理のスペースまで移動。 ゆっくりじっくり、安全に十分注意しながら移動します。

■解体前処理工程part1
解体作業に入る前には必ず前処理が行われます。
フロンガスの回収やオイル等の抜き取りをして、 有害な物質が外に漏れたりたれたりしないように気を使いながら、残らず処理をしていきます。
画像に写っているのはパワステオイルとフロンガスを回収している様子です。
また、この段階でタイヤ・ホイール、ガソリンタンク、 エンジン回りのダストになるものを分別して処理しておきます。

■解体前処理工程part2
エアバッグの作動処理です。
種類によってはそのまま回収する場合もありますが、 多くの場合は写真のように実際に車上で作動させて処理します。
緊張する一瞬です。
大きな音が出るので防音シートを使うなど工夫をし、 できるだけ周りに影響が無いようにしています。

■エンジン等切り離し
解体車はすべてエンジン・ミッションや足回りなどの大きな部品を切り離してから処理します。 こうすることによって鉄と非鉄金属、銅など細かく分別することが可能になります。
危険な作業ですので安全には十分に注意しながら、慎重に作業を進めていきます。
まさにベテランの技です。

■エンジンの解体
下ろされたエンジンは写真のように分解され、ボルト一本まで細かく分別されます。
非常に時間と手間が掛かりますが、こうしないと分別できないのです。
ひそかにエンジンの構造の勉強にもなるんですよ。

■金属類の分別
エンジンをはじめとした各パーツごとに一つ一つ分解し、鉄・アルミニウム・銅・真鍮などに 分別していきます。細かく分別することでリサイクルしやすい状態にできるのです。
職人による完全な手作業であるため手間は掛かりますが、 ダストや種類の違う金属が混ざらなくなり、 再資源化しやすい分別された金属類として引き取ってもらうことができるため、 リサイクルの一環として重要な作業と捉えています。

■プレス開始
と、と、飛んでる…。
今日はいい天気だね☆

■プレスと分別part1
順序良く潰していきます。
テキトーな潰し方は後で分別できなくなるので禁物です。
折りたたむ様に、慎重な作業を心がけます。

■プレスと分別part2
ひっくり返して足回りや配管類を外していきます。
普通に考えると車の裏側から外せる金属はあまり無いような気もしますが、 ユンボでは「毟り取る」という感じで金属を外していくことができます。
前処理の工程で予め外す準備をしているので、スムーズに外れます。

■プレスと分別part3
前回りの鉄製部品も外していきます。
どんどん甲山(鉄の塊ことです)が溜まっていきます。凄いペース!

■プレスと分別part4
今度は配線を引っ張り出して分別します。
恐竜が獲物を捕らえたときのように、頭を突っ込んでパクパク食べているみたいです。
どこに配線が通っているのか、よくわかるなぁ…。

■プレスと分別part5
ぺっちゃんこです。
一番上の段がセイバー君です。他の車が何だかわかるかな?

■引取待ちです。
ソフトプレスが終わったので常設のガラ置き場に運び、専門業者に引き取ってもらいます。
お疲れ様でした。